こどもの救急
日本小児学会のこどもの救急が役立ちますので参考にして下さい。
こどもの感染症
こどもの皮膚疾患
麻疹(はしか)
麻疹(はしか)とは
麻疹ウイルスによる高熱、発疹、結膜充血、咳嗽を主とする病気です。約11日の潜伏期の後に、鼻水、咳、38~39℃の発熱などかぜのような症状からはじまります。高熱は3~4日続いて一時解熱傾向を示し、再び熱があがるとともに発疹が出現し、全身にひろがり、高熱もさらに3~4日間続くのでぐったりし、重症感のある病気です。発疹が現れる前より「コプリック班」と呼ばれる白いぶつぶつが頬の粘膜に認められます。合併症には脳炎(1000~2000人に1人の割合)、肺炎、中耳炎などがあり、気をつけなければならない病気です。
治療
対症療法が中心です。合併症をおこすと、入院治療が必要となります。
家庭で気をつけること
- 熱でつらそうなら、気持ちがよいように冷やしてあげましょう。
- 食欲がなくなるので、水分を十分に補い、消化のよい口当たりのよいものを与えるようにしましょう。
- 合併症をおこしやすいので、治るまでは指示された日時にきちんと受診して下さい。
予防
予防接種を2回うけることが重要です。1歳になったらすぐ予防接種をうけましょう。保育園に入園させる時は生後9ヶ月頃に任意で予防接種をうけたほうがよいでしょう。(この場合は、さらに2回予防接種が必要です。)
登園・登校
解熱後3日以上経ってから登園します。
風疹
風疹とは
風疹ウイルスによる感染症で、発熱、発疹、リンパ節の腫れが見られます。
症状は比較的軽いことが多いですが、妊婦が感染すると胎児に影響することがあります。
治療
症状に応じた治療を行います。
家庭で気をつけること
発熱や発疹がある間は安静に過ごしましょう。
予防
ワクチン接種が有効です。
登園・登校
発疹が消失するまで出席停止です。
水痘(みずぼうそう)
水痘とは
水痘帯状疱疹ウイルスによっておきる感染性の強い病気です。潜伏期は約14日です。発疹はまず赤い小さな発疹から始まり、中心に水を持った水疱になり、かさぶたになって終わりますが、いろいろな段階の発疹が同時に存在することが特徴です。水疱には強いかゆみがあり、発熱は約7割に見られます。
治療
- かゆみを抑える塗り薬や飲み薬を処方します。
- からだの抵抗力が弱い人、症状が重い人には抗ウイルス薬を処方します。
家庭で気をつけること
- 引っ掻いて水ぶくれをつぶさないように、つめを丸く切り清潔にしましょう。赤ちゃんなら手袋をするのものよいでしょう。
- 水疱が増えている間は入浴は避けましょう。水疱が落ち着いてくれば、ぬるま湯のシャワーで皮膚をこすらないように体を流し、水疱やかさぶたを破らないように気をつけましょう。
- 口の中に水疱ができて痛い時は、刺激にならないうす味の、喉ごしのよいやわらかい物を少しずつ与えます。おかゆ、うどん、プリン、ゼリー、アイスクリームなど。
予防
予防接種が一番です。生後12ヶ月以降の子が対象です。
登園・登校
登園・登校は、発疹がすべてかさぶたになってからです
おたふくかぜ (流行性耳下腺炎)
おたふくかぜとは
耳から頬の下にある耳下腺や、あごの下にある唾液腺が腫れて、「おたふく」のような顔になるので「おたふくかぜ」と呼ばれます。 多くは左右両側が腫れますが、片方だけの腫れで終わる場合や、ウイルスに感染しても症状がでないこともあります。熱はでることもありますが、3~4日で落ち着きます。 合併症として髄膜炎、脳炎、難聴、精巣炎、卵巣炎、膵炎がでることもあります。難聴は約1000人に1人くらいの発生頻度で、回復が困難なので注意が必要です。
治療
痛みなどの症状に応じた治療
家庭で気をつけること
- 食べ物はすっぱいものや、よく噛まなければいけないものは避けましょう。
- 高い熱があるときや痛みが強いとき以外は、入浴はかまいません。
予防
予防接種が一番です。生後12ヶ月以降の子が対象です。
登園・登校
耳下腺、顎下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止です。
インフルエンザ
インフルエンザとは
インフルエンザウイルスによ呼吸器感染症です。
突然の高熱、咳、喉の痛み、全身のだるさなどの症状がみられます。
冬に流行することが多い感染症です。
治療
症状に応じた治療や抗インフルエンザ薬を使用することがあります。
家庭で気をつけること
水分を十分にとり、安静に過ごしましょう。
予防
ワクチン接種、手洗い、マスクなどが有効です。
登園・登校
発症後5日かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで出席停止です。
突発疹
突発疹とは
生後4-12ヶ月位の赤ちゃんが突然高熱を出し、3-4日続いた後、熱が下がるとともに発疹が全身にでます。下痢をおこしたり、不機嫌になることもあります。生後初めての発熱であることが多く、ときには熱誠痙攣が見られますが、一般に予後は良好です。
治療
対症療法が中心です。高熱でぐったりしている時は解熱剤をもちいることもあります。
家庭で気をつけること
- 体温を測り、全身状態(顔色、機嫌、食欲、おしっこの量など)を観察して記録しましょう。
- 熱でつらそうなら、気持ちがよいように冷やしてあげましょう。
- 離乳食は食べれれば、やわらかくしてあげましょう。
- 食欲のない時は、水分の補給(ミルク、母乳、麦茶、乳幼児用イオン飲料など)を十分にしましょう。
予防
特にありません
りんご病
りんご病とは
パルボウイルスB19による感染症です。
頬がりんごのように赤くなる発疹が特徴です。
その後、腕や足に網目状の発疹が出ることがあります。
治療
多くは自然に治るため、症状に応じた治療を行います。
家庭で気をつけること
体調に合わせて無理をせず過ごしましょう。
予防
手洗いなど基本的な感染対策が大切です。
登園・登校
全身状態がよければ可能です。
溶連菌感染症
溶連菌感染症とは
A群β溶血性連鎖球菌という細菌による感染症です。多くは患者の咳やくしゃみによりうつります。溶連菌がのどに感染して、2~5日の潜伏期の後、高熱と、のどの腫れ、痛みが特徴で、しばしば嘔吐、腹痛、足の痛みが見られます。その1~2日後に、全身にかゆみを伴う発疹が出て、舌がイチゴのように真っ赤になり(イチゴ舌)、その数日後の回復期に手や足の指先から皮がめくれてきたりすることもあります。その他に中耳炎、副鼻腔炎、リンパ節炎などを合併することもあります。
治療
溶連菌に効く抗生剤を10~14日間服用します。
家庭で気をつけること
- 再発や合併症を防ぐために、指示された期間は抗生剤を中断せずに飲んでください。
- のどが痛い時は、熱いものや辛いもの、すっぱいものはさけましょう。
- 家族内に同じような症状の人がいれば、受診してのどの検査をうけて下さい。
予防
- 感染者との密接な接触を避けること
- 手洗いとうがいをしましょう。
登園・登校
適切な抗生剤治療が行われていて、治療開始後24時間以上経過し、感染の危険がなくなったことを確認してもらえば、登園・登校できます
手足口病
手足口病とは
手のひら、足のうらに小さな赤い水疱、口に中に小さな水疱や口内炎ができます。小水疱は肘、膝、臀部(おしり)にまで見られることもあります。大部分は発疹のみの軽い症状ですが、一部で軽度の発熱が見られ、繰り返しかかることもあります。口の中が痛くて食べられなくなることがあります。原因は主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスです。
治療
- 対症療法が中心です。症状によってのどの痛みをおさえる薬を使います。
- のどの痛みのため、水分も十分に摂れない時は点滴をすることもあります。
家庭で気をつけること
- 口の中が痛い時は、刺激にならないうす味の、のどごしのよいやわらかいものを少しずつ与えます。おかゆ、うどん、プリン、ゼリー、アイスクリームなど
- 食べられない時は脱水症状にならないように、まめに水分を与えましょう。オレンジジュースなどすっぱいものはしみます。湯ざまし、麦茶、乳幼児用イオン飲料、野菜スープなどがよいでしょう。
予防
- 感染者に近づかないこと
- 手洗いとうがいをしましょう。
登園・登校
行ってよいかどうかは症状しだいです。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナとは
突然の高熱が2~3日続いて、のどの奥に小さな水疱(水ぶくれ)ができる病気です。水疱は破れて潰瘍になり、のどの痛みを伴うため、食欲がない、よだれが急に多くなるなどの症状が見られます。繰り返しかかることもあります。原因は主にコクサッキーウイルスです。
治療
- 対症療法が中心です。症状によって解熱剤やのどの痛みをおさえる薬を使います。
- のどの痛みのため、水分も十分に摂れない時は点滴をすることもあります。
家庭で気をつけること
- のどの痛みから食欲もなくなるので、刺激にならないうす味の、ごしのよいやわらかい物を少しずつ与えます。おかゆ、うどん、プリン、ゼリー、アイスクリームなど
- 食べられない時は脱水症状にならないように、まめに水分を与えましょう。オレンジジュースなどすっぱいものはしみます。湯ざまし、麦茶、乳幼児用イオン飲料、野菜スープなどがよいでしょう。
予防
- 感染者に近づかないこと
- 手洗いとうがいをしましょう。
登園・登校
熱が下がってのどの痛みがなくなれば可能です。
咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱とは
夏にプールで感染することが多くプール熱と呼ばれています。プールにはいらなくてもうつります。原因はアデノウイルスで、感染経路はプールの水を介して結膜へ直接侵入、タオルを介した感染、咳・くしゃみなどによる飛沫、手指を介した接触感染によります。潜伏期は5~7日で、39~40℃の高熱が4~5日間出て、咽頭(のど)と眼球結膜が充血する病気です。頭痛、 吐き気、腹痛、下痢などを伴うこともあります。眼症状は主に片眼から始まり、その後もう一方にも発現します。眼は充血して真っ赤になり、痛みやまぶしさを訴えたり、涙や目やにがでます。
治療
対症療法が中心です。症状によって解熱剤やのどの痛みをおさえる薬を使います。
家庭で気をつけること
- 高熱が続きますが、熱冷ましを使いすぎないように、気をつけましょう。また、熱があるときでも無理にひやすことはなく、熱で、少しつらそうなら、こどもさんが気持ちがよいと感じるように冷やしてあげましょう。
- 熱が高くて食欲がない時は、消化がよくのどごしのよいやわらかいものを少しずつ与えます。おかゆ、うどん、プリン、ゼリー、アイスクリームなど
- 食べられない時は脱水症状にならないように、まめに水分を与えましょう。湯ざまし、麦茶、乳幼児用イオン飲料、野菜スープ、うすめた果汁などがよいでしょう。
予防
- 感染者との密接な接触を避けること
- 手洗いとうがいをしましょう。夏かぜのウイルスは主にお腹(腸管)の中でふえますから、糞便に大量に出て手を介して口からうつります。便・その他の排泄物を扱った後や食べ物を食べる前、外から帰った後は手洗いをする習慣を付けることが大切です。
- プールでは、水泳前後に必ずシャワー、洗顔をしましょう。
- タオルは共用しないようにしましょう。
登園・登校
主要症状が消えた後2日を経過するまでは出席停止です。
百日咳
百日咳とは
百日咳菌という細菌による感染症です。
激しい咳が長く続くのが特徴で、夜間に咳が強くなることがあります。
乳児では重症化することがあります。
治療
抗菌薬で治療を行います。
家庭で気をつけること
咳が強いときは安静にし、刺激を避けて過ごしましょう。
適切な抗菌薬治療を受けるまで、小児特に乳児との接触は避けましょう。
予防
ワクチン接種が有効です。
登園・登校
特有の席が消失するまで、又は5日間の適正な抗菌薬療法による治療が終了するまで出席停止です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
かゆみを伴う湿疹が慢性的に繰り返される皮膚の病気です。
皮膚のバリア機能が弱く、乾燥しやすいことが特徴です。
乳児期から小児期に多くみられます。
治療
保湿剤や外用薬を使用して皮膚の炎症を抑えます。
家庭で気をつけること
皮膚を清潔に保ち、毎日の保湿ケアを続けましょう。
予防
皮膚の乾燥を防ぐスキンケアが大切です。
登園・登校
基本的に制限はありません。
とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひとは
あせもや虫さされ、かき傷、すり傷、湿疹などで、かき壊した傷口からばい菌が入りこんで水ぶくれができます。それが簡単に破れてほかの場所に次々に「とびひ」してどんどん広がっていきます。
症状
水ぶくれができていたり、ジクジクしていたりします。かゆみが強く、ばい菌がいる場所をかくと、爪に菌がついて、他の部分にも菌が広がっていきます。「虫刺されのあとがいつまでもかゆく、ジュクジュクして、なんだかいろいろなところにうつって増えてきた」という症状は、とても疑わしいです。
治療
- 抗生物質の飲み薬と塗り薬で治療します。(ごく初期であれば、抗生物質の塗り薬のみで治ることもあります。)患部を1日3回はシャワーで洗浄した後、抗生物質を塗ります。
- 集団生活での接触感染を防ぐためと、患部をかき壊さないようにするために患部をガーゼで覆うこともあります。
- かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン剤を飲むこともあります。
家庭で気をつけること
- 保育園、学校:患部をガーゼで覆うなど、こどもが直接ふれないようにしましょう。数日休ませたほうがよいこともあります。
- 入浴:シャワーやかけ湯のみで、湯ぶねにはつからないようにしましょう。
- プール:完全に治るまでは、絶対に入らないようにしましょう。
予防
- 入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ちましょう。
- 爪は短く切り、外出後や遊んだ後は手をよく洗いましょう。
水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼとは
ウイルスによる皮膚感染症です。
皮膚に小さな光沢のある丸いできものができます。
幼児から学童に多くみられます。
プールの水では感染しません。水いぼを触った手やタオル、プールのビート板などを介して広がります。
治療
自然に治ることもありますが、摘除や漢方薬内服の治療を行うことがあります。
家庭で気をつけること
かきこわしを防ぎ、皮膚を清潔に保ちましょう。
予防
タオルの共用を避けるなどの対策が大切です。
登園・登校
基本的に制限はありません。


きふね