Hibワクチンが2008年12月19日に新発売されました。
発売当初は生産数量が限られているので、あらかじめ予約された方からワクチンが入荷され、接種をうけることができるようになります。希望される方は、予約方法などについて診療時間内に受付にお問い合わせ下さい。
インフルエンザ菌b型(Haemophilus infuluenzae type b)という細菌のことで、頭文字をとってHibと呼ばれています。冬に流行するインフルエンザの原因であるインフルエンザウイルスとは全く別のものです。
インフルエンザ菌b型(Hib)による細菌性髄膜炎(Hib髄膜炎)を予防するワクチンです。その他Hibによる肺炎、喉頭蓋炎、敗血症などの重篤な全身感染症を予防します。Hibワクチンはすでに世界100ヵ国以上で接種されています。わが国では2007年1月に製造販売承認され、ようやく発売されることになりました。
Hib髄膜炎は5歳未満の乳幼児がかかりやすく、特に生後3か月から2歳になるまではかかりやすいので注意が必要です。5歳以上では極めてまれです。Hib髄膜炎にかかると、抗生剤などの治療を受けても約5%の乳幼児が死亡し、約25%に発育障害(知能障害)や聴力障害、てんかんなどの後遺症が残ります。
Hibワクチンは生後2か月から5歳未満までの乳幼児に接種します。Hib髄膜炎を予防するためには生後2か月からできるだけ早い時期の接種が必要です。
2ヶ月齢以上7か月齢未満 | 初回接種3回+追加接種1回:計4回 初回接種は4~8週間間隔で3回、追加免疫として3回目の接種から約1年後に1回の計4回接種します。 |
接種もれ者への接種スケジュール | |
7ヶ月齢以上12か月齢未満 | 初回接種2回+追(BCG接種の1週間前)加接種1回:計3回 初回接種は4~8週間間隔で2回、追加免疫として3回目の接種から約1年後に1回の計4回接種します。 |
1歳以上5歳未満 | 通常1回 |
HibワクチンとDPTワクチンはともにできるだけ早い時期の接種が疾患を予防するために必要です。生後2か月になってすぐHibワクチンを接種を開始すれば、BCG接種前にHibワクチン2回DPT(三種混合)ワクチン1回(or2回)の接種が可能です。
BCG接種の6週間前(生後2ヵ月) | Hibワクチン1回目 |
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BCG接種の4週間前(生後3ヵ月) | DPTワクチン1回目 |
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BCG接種の2週間前 | Hibワクチン2回目 |
↓ | |
BCG接種の1週間前 | DPTワクチン2回目 |
↓ | |
4(3)ヵ月健診 | BCG接種 |
↓ | |
BCG接種の4週間後 | Hibワクチン3回目 |
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BCG接種の5週間後 | DPTワクチン3回目 |
DPTワクチンとHibワクチンの同時接種も可能です(両腕にワクチンを接種します)。BCG接種予定日によりスケジュールが異なりますので、ご相談下さい。
接種料金は1回につき8000円(税込)です。
Hibワクチンの接種後に、接種部位の発赤や腫脹がみられ、また数%に発熱がおこりますが、一時的なもので、数日で消失します。 重い副反応として、非常にまれですが、1)ショック・アナフィラキシー様症状(呼吸困難など)、2)けいれん、3)血小板減少性紫斑病 が海外で報告されています。
このワクチンは製造の初期段階にウシの成分が使用されていますが、その後の精製工程を経て、製品化されていますので、理論上TSE(伝達性海綿状脳症)のリスクは否定できません。 実際は、このワクチンはすでに世界100カ国以上で使用されており、発売開始から14年間に約1億5000万回接種されていますが、このワクチンの接種が原因でTSEにかかったという報告は1例もありません。
Hibワクチンの接種により健康被害が発生した場合には、医薬品副作用被害救済制度により治療費等が受けられる場合があります。